湯(タン)中華料理において、スープは「湯(タン)」と呼ばれています。中国では「兵士は銃で戦い、厨師(コック)は湯で戦う」と言われ、湯は中華料理の味を決める重要な要素となっているのです。湯の持つうま味は、素材のうま味を更に引き立てることが出来ますし、上等な湯はそれだけで一品料理として成立するのです。 中華料理のスープ・湯の基礎知識中国語では、湯(タン)は一文字で「スープ」という意味を持ちます。日本における白湯は「開水(カイスゥエイ)」になり、日本語で言う「お湯」という字面からは少々かけ離れた言葉になっています。動物性の食材から取った湯は「葷湯(クンタン)」、植物性の食材から取った湯は「素湯(スゥタン)」と呼ばれています。この食材ごとの分類のほかにも、最近ではラーメン用語としても使われている「上湯(シャンタン)」「清湯(チンタン)」「白湯(パイタン)」があります。 スープの濃さで決まる名称
この「上湯」「清湯」「白湯」は、使われている材料ではなく出来上がったスープの濃度などで分類されます。「清湯」はその名の通り澄み切ったスープで、「白湯」はとんこつスープのように白く濁ったスープです。中でも「上湯」は高級食材を惜しげもなく使い、丹念にアクを取って仕立てた最高級のスープに与えられる呼び名なのです。上湯は、フカヒレスープや煮込み料理などにおいて、うま味を引き立てる最高の調味料としても使われているのです。 極上のスープを生み出す金華火腿とは
その上湯の美味しさを作り出す食材の中で、もっとも珍重されているのが「金華火腿」です。中国は浙江省の金華市で育てられている金華豚を使って作られた加工食品で「金華ハム」とも呼ばれています。金華火腿は、イタリアのプロシュート・ディ・パルマ、スペインのハモン・セラーノなどの有名な生ハムに並ぶ存在であると言われ「世界三大ハム」と呼ばれています。金華火腿に使われる金華豚は他の豚と違い穀物を与えないで育てるために、脂肪分が少なく引き締まった豚に育つのです。この金華豚の後ろ足だけを塩漬けにして水分を抜いて、風通しの良いところで熟成させたのが金華火腿なのです。 金華火腿の驚くべき実態
金華火腿は他のハムとは違い、鰹節のように有益なカビを表面に生やして熟成させるという工程を踏んでいます。その為「中国の鰹節」とも言われています。このカビによる熟成は、金華火腿の脂肪分に大きな変化をもたらしているのです。金華火腿を研究したところ、金華火腿に含まれている動物性の脂肪分が植物性の脂肪分に変化していることが明らかになったのです。また、金華火腿に含まれているグルタミン酸・アミノ酸は加工前の豚肉の1.5倍近くまでアップしていることもわかっています。このように、健康的でうま味を増した金華火腿は上湯には欠かせない最高の食材となっているのです。 家庭で出来る湯のレシピそれでは、家庭で「清湯」「上湯」「白湯」を作るためのレシピを紹介していきます。湯は料理に使っても、そのまま出しても美味しくいただけます。 清湯のレシピ
用意する材料
鶏がら…1kg、鶏挽き肉…500g、豚挽き肉…500g、ネギ…青い部分を3本分、ショウガ…1個、水…2リットル 清湯の作り方
白湯のレシピ
用意する材料
豚骨…4kg、丸鶏…1.5kg、豚の背脂…100g、水…8リットル、ネギ…4本、ショウガ…3個 白湯の作り方
上湯のレシピ
用意する材料
老鶏の鶏がら…2kg、豚挽き肉…2kg、金華火腿…1kg、水…6リットル 鶏がらは、年を取った老鶏のほうが良い出汁が取れます。「ひね鶏」と呼ばれる、卵を産まなくなった雌鶏がおススメです。 上湯の作り方
湯の美味しい食べ方
湯はフカヒレスープやラーメンスープだけでなく、鍋料理にも使えます。清湯は、中華鍋に移して肉団子スープや酸辣湯などにも使えます。また溶き卵を流し込んで卵スープにしたり、わかめを入れてわかめスープにしたりと、湯の活用法は無限にあります。 |
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